和室は落ち着いた雰囲気が魅力ですが、収納面では不便を感じる方も少なくありません。そこで注目されるのが、空間を有効に使えるシステム収納です。調整や追加がしやすく、生活の変化にも柔軟に対応できます。この記事では、和室の収納不足を解決する方法と導入の注意点を紹介します。
和室のおもな収納とは
和室には押入れや天袋、地袋といった伝統的な収納設備が備わっています。これらは十分な容量をもつように思えますが、実際には使い勝手の面で課題も少なくありません。それぞれの特徴を理解し、適材適所で活用することが大切です。押入れや天袋の活用
押入れは和室における代表的な収納で、布団や季節家電などの大きな物をまとめてしまうのに最適です。ただし、奥行きが深いため、手前と奥をうまく使い分けないと物の存在を忘れてしまうという不便さが出てきます。また、細かい物をそのまま入れると散らかりやすく、収納ケースや仕切りを併用しないと使いにくさが目立ちます。天袋は押入れの上部に位置するため、踏み台を使わないと手が届かず、日常使いには不向きです。
しかし、行事用品や思い出の品、季節ごとの装飾品など、出番が限られる物を収納するには最適なスペースです。収納量は大きいものの、利便性に欠ける場面も多いため、活用方法を工夫する必要があります。
地袋や畳下収納の特徴
地袋は床に近い位置に設けられ、子どもでも出し入れしやすいという利点があります。小物や日常的に使う物を入れるのに便利で、おもちゃや日用品の収納に適しています。ただし容量は小さく、大きな物を収納するのには不向きです。畳下収納は広さがある一方で、畳をもち上げる必要があるため使い勝手はよくありません。普段は使わない防災備蓄やシーズンオフの布団などを保管する場として考えるのが現実的です。和室の収納は種類ごとに特徴があり、工夫しないと使いにくいのが実情です。
そのため、既存の収納を補う形でシステム収納を検討することが解決策となります。
収納が足りない場合は収納設備の後付けがおすすめ
既存の収納だけでは暮らしに対応できないことは多くあります。和室の空間を活かすためには、単に収納家具を増やすのではなくシステム収納を導入することが有効です。柔軟に調整できる仕組みを取り入れれば、限られたスペースを有効に使えます。壁面を有効に使う収納
和室は畳の上を広く使うため、床に家具を置きすぎると圧迫感が出てしまいます。その点、壁面を活用するシステム収納は有効です。可動式の棚や仕切りを取り付ければ、布団や衣類、書籍まで幅広く整理できます。従来の押入れでは埋もれてしまいがちな小物も、壁一面を使った収納なら見やすく整頓可能です。高さを自由に調整できるため、収納する物の種類が変わっても対応でき、和室の利用シーンを広げる効果があります。
さらに床面を塞がないので、従来の和室の開放感を損なわずに収納量を増やせるのが大きな利点です。
カスタマイズできる柔軟性
システム収納の魅力は、生活の変化に応じてレイアウトを組み替えられる柔軟性にあります。棚の高さや位置を細かく調整でき、衣類や日用品、子どもの学用品まで用途に合わせて変えられます。たとえば子どもの成長に合わせて高さを変えれば、長く使い続けることが可能です。また、必要なときだけパーツを追加できるので、引っ越しや模様替えにも対応しやすいのも特徴となります。
和室はもともと用途が多様な空間だからこそ、状況に合わせて形を変えられるシステム収納が最適です。固定家具に頼るよりも、長期的に見て効率的かつ経済的な選択といえます。
和室の収納を後付けする際の注意点
システム収納は和室の収納不足を解消する有力な手段ですが、設置にあたっては注意すべき点があります。畳や壁と調和させ、安全性を確保することで、長く快適に利用できる環境を整えられます。畳と調和する設置方法
畳はやわらかくデリケートな素材のため、収納家具の重みで傷や凹みが生じやすいのが特徴です。そのため、設置する際は脚の形状や荷重分散を考慮し、畳を傷めない工夫が求められます。脚のないタイプや床全面で支える設計の収納であれば、畳への負担を減らせます。また壁面設置型のシステム収納を選べば、床への負担を最小限に抑えつつ収納力を確保可能です。
さらに、和室の雰囲気に合う色や素材を選ぶことで空間との調和を保ち、違和感のない仕上がりが実現できます。収納力を高めながら、和室本来の落ち着いた空間を損なわないことが大切です。
湿気と安全性への配慮
和室は湿気がこもりやすく、収納内部にカビやダニが発生しやすい環境です。そのため、除湿剤や通気性を確保する工夫は欠かせません。また小さな子どもや高齢者がいる家庭では、安全面にも注意が必要です。角を保護するパーツや、地震の揺れに耐える転倒防止機能を備えた収納を選ぶと安心です。耐荷重や耐震性能の高いシステム収納を導入することで、収納不足を補うだけではなく、日常的な安全性も確保できます。
後付けの収納を検討する際は容量を増やすだけではなく快適で安全に使えるかを重視することが重要です。