押入れは収納力が高い一方で、奥行きがありすぎて奥の物が取り出しにくい、気づけばデッドスペースが増えてしまう、といった悩みを抱える人も多いでしょう。この記事では、奥行きを有効活用するための具体的な工夫を紹介します。奥行きを無駄なく使いながら、出し入れしやすい押入れに変えられるアイデアが満載なので参考にしてください。
押入れ収納に関する基礎知識
押入れは日本の住まいに昔からある収納スペースです。上手に使いこなすためには、あらかじめゾーンを区切り、収納する物の種類や使用頻度に応じて場所を決めることが大切です。日常的に使用するものを上段に
上段は目の高さに近く、出し入れがしやすいので、普段よく使う洋服や小物、あるいは引き出し収納を置いて日常品を整理するとよいでしょう。中身が一目で確認できるように、目線より下に収まる高さに置くとさらに使いやすいです。使用頻度が低いものは天袋に
脚立や踏み台を使わなければ手が届かないため、出し入れの頻度が低いものに適しています。軽くて大きめの荷物や、使う機会の少ない行事用品などを収めるのに向いています。小さな物をそのまま入れると奥に埋もれてしまうので、箱やカゴにまとめて収納しましょう。重いものは下段に
低い位置にあるため、重たい物を置くのに最適です。収納ケースやボックスを使う際は、キャスター付きのものを選ぶと引き出しやすく便利です。小さな子どもがいる家庭では、子ども用のおもちゃや衣類をまとめて置く「子ども専用ゾーン」として活用すると、片付けの習慣づけにもつながります。前後に分ける
奥には使用頻度の低い物、手前には日常的に必要な物を配置することで、デッドスペースが生まれにくくなります。たとえば衣類なら、手前に現在の季節の服を、奥にオフシーズンの服を収納すると管理しやすいでしょう。左右に分ける
家族それぞれの持ち物を左右で分ければ、片側だけを開けるだけで身支度が整い便利です。たとえば左側を妻のゾーン、右側を夫のゾーンといった形で区切ると、洋服やバッグ、帽子などを取り出しやすくなります。目的別に分ける場合は、片側に季節外の家電や旅行用品、もう片側に布団や寝具を収納するのも効果的です。ただし、襖の構造には注意が必要です。引き戸が重なり合う位置に収納用品を置いてしまうと出し入れがむずかしくなるため、購入前にサイズを測り、片側の扉だけで完結できる配置を意識しましょう。また、取っ手側に日常的によく使う物を置いておくと、扉を全開しなくても必要なものがすぐ取り出せます。
押入れ収納の有効活用アイデア
ここでは実例を交えながら、押入れ収納を有効活用するアイデアを紹介します。不織布カバーや収納ケースを使う
季節ごとに出番のある布団類は、通気性のよい不織布カバーや収納ケースを利用すると安心です。羽毛布団などは圧縮袋に頼らず、不織布ケースに収めることで羽根を傷めず保管できます。壁面を利用する
上段の奥にカラーボックスや高さのある収納棚を設置すれば、デッドスペースになりがちな壁際を活用できます。専用のボックスと組み合わせることで、見た目もすっきり整います。また、布団の上の空いた空間には、伸縮式のラックを置くのもおすすめです。高さや幅を調整できるため、布団を下に、日用品を上に収納するといった使い分けが可能になり、空間を無駄なく使えます。
キャスター付きの収納用品を使う
ケースやタンスをキャスター付きにすれば、重量物でも楽に引き出せます。オンシーズンの洋服を手前に、オフシーズンを奥に置いておくと、衣替えはタンスごと入れ替えるだけで済むため、整理の手間が大きく減ります。ただし重量がある場合は、キャスターや床への負担を考えることが重要です。ハンガーラックを活用する
洋服の収納を中心に押入れを使うなら、ハンガーラックを導入してクローゼットのように使うのがおすすめです。また、小物類の収納には縦に設置できるポールハンガーが便利です。帽子やカバン、洗濯用のピンチハンガーなどを吊るすことで、見やすく取り出しやすい収納が実現します。突っ張り棒を利用する場合は、支える面の強さや耐荷重をしっかり確認しましょう。