暮らしの中で「なんとなく使えていない空間がある」と感じたことはありませんか。部屋の一角や家具のすき間はそのままでは無駄に見えても、工夫次第で大きな収納スペースに生まれ変わります。そこで今回は、システム収納を活用してデッドスペースを効率よく使う方法を紹介します。
そもそもなんでデッドスペースができるの?
新築や引っ越しで住まいが変わると、収納が足りないと感じる人もいるのではないでしょうか。また、せっかく十分な収納スペースがあっても、いつの間にかものが溢れて使いにくくなることもあるでしょう。収納が足りなくなる際に活用できるのが、家具と壁の間にできる「デッドスペース」です。市販の家具は部屋のサイズにぴったり合うわけではないため、どうしても壁との間に隙間が生まれがちです。
隙間をうまく活用できないと、せっかくのスペースが無駄になってしまいます。デッドスペースは、既製品の家具を置いたときや、変則的な間取りの場所にとくにできやすいです。
梁や柱の出っ張り、窓やドアの開閉スペース、階段下、ロフト、天井付近など、形が不均一な場所にもデッドスペースは生まれやすいでしょう。
たとえば、天井まで届かない家具を置いたとき、上の空間は空いたままになります。押し入れやクローゼットの奥行きが深すぎる場合、手前だけを使って奥は活用できない状態になることもあるでしょう。
さらに、壁や柱の形状、部屋の出入り口や窓の位置などでも、家具の配置が制限され、結果的に空間が余ってしまう原因になります。そして、デッドスペースは既製品の収納家具では対応しきれないことが多いため、ものが置きっぱなしになったり、ホコリが溜まったりして、悩みの種になりがちです。
また、デッドスペースは「余分な空間」と誤解されがちですが、実際には生活の中で見過ごされやすいだけのスペースです。とくに収納に困っている家庭では、こうした空間をどう使うかが大切なポイントになるでしょう。
たとえば、リビングの壁面や階段下の空間は典型的なデッドスペースです。そのままにしておけば掃除もしにくく無駄に感じますが、システム収納を導入すれば本や雑貨の置き場として活用できます。
さらに、可動式の棚や引き出しを取り入れれば、季節ごとの入れ替えや整理整頓も容易におこなえます。つまり、デッドスペースは「無駄な空間」ではなく「工夫次第で伸びしろになる空間」といえるでしょう。
デッドスペースを活用するおすすめ収納アイデア
システム収納や便利なアイテムを利用すれば、デッドスペースは可能性を秘めた収納エリアになります。ここでは、住まいの中でよく見かけるデッドスペースを例に、活用アイデアを紹介します。まず代表的なのは「壁面の上部」です。タンスや棚を置いたときに天井までの空間が余ることは少なくありません。空間が余った部分に吊戸棚や可動式の棚を設ければ、普段あまり使わない季節用品やストック品をまとめて収納できます。
上部は出し入れが大変というデメリットもありますが、昇降式の棚やステップを併用することで、日常的に使う物も安全かつスムーズに出し入れできるでしょう。
また、手の届きやすい「壁面」には、ワイヤーラックや有効ボードで引っ掛ける収納を設置するのもおすすめです。玄関やキッチンに設置すれば、手軽にものを片づけられる収納になるでしょう。
次に「足元の空間」です。ベッド下やソファ下などは掃除が面倒で活用しにくいと感じる人も多いでしょう。しかし、引き出し式のシステム収納を導入すれば、衣類や寝具、子どものおもちゃなどをすっきりと収められます。
透明な引き出しやラベルを付ければ、中身もひと目でわかるため取り出しやすく、整理整頓の負担も軽減されます。また「クローゼットの内部」もデッドスペースができやすい場所です。洋服をかけるハンガーパイプの下や棚の上部など、使いこなせていないスペースができがちです。
クローゼットの中では、ハンガーパイプを2段にしたり、引き出し式の収納を組み合わせたりすることで、衣類だけでなく、バッグや帽子、靴などの小物まで整理できます。
さらに「階段下」も見逃せないデッドスペースです。とくに戸建て住宅では階段の下が空洞になっているケースが多く、そのままでは物置のようにしか使えません。階段下にオーダーメイドの収納を組み込めば、日用品のストックや掃除機といった大型の家電を収めることが可能です。
可動式の棚や引き出しを組み合わせると、収納効率がさらに高まります。最後に「廊下や部屋の四隅」も工夫しやすいポイントです。狭い廊下には壁面収納を設けることで、靴や傘、掃除道具をすっきりと片付けられます。
部屋の四隅には、コーナーラックやコートラックを設けると収納スペースが増えるでしょう。システム収納の利点は、既製品の家具では対応できない「サイズ感の難しさ」に柔軟に対応できる点です。
奥行きが浅い収納、縦に長い棚、可動式の仕切りなどを組み合わせることで、空間の形に合わせた収納が完成します。結果として、限られた面積の中でも収納力を増やせるだけでなく、日々の生活動線も考慮した整理整頓が可能になります。